単純性血管腫(ウンナ母斑)とは?

ウンナ母斑は、うなじから後頭部にかけて現れる赤あざで、新生児の20~30%に見られる正中部母斑の一種です。西洋では「コウノトリのくちばしの跡」と呼ばれ、赤ちゃんを大切に運んできてくれた幸運の印として親しまれています。
生まれた時から存在する平らな赤あざで、境界がぼんやりとしており、色調にむらがあることが特徴です。逆三角形のような形をしていることが多く、押すと一時的に色が薄くなります。
サモンパッチが顔の正中部にできるのに対して、ウンナ母斑は後頭部からうなじにかけての髪の生え際付近に現れます。泣いた時や入浴時には血流が増えて赤みが強くなりますが、落ち着けば元の色に戻ります。
こんな症状があればご相談ください
以下のような症状がある場合は、専門医による診察をおすすめします。
- うなじや後頭部に赤あざがある
- 逆三角形のような形の赤い斑点
- 境界がぼんやりした平らな赤あざ
- 押すと一時的に色が消える
- 髪を結った時に赤みが目立つ
- 3歳を過ぎても赤みが残っている
など
多くの場合は問題ありませんが、正確な診断により適切な対応を決めることができます。
ウンナ母斑の経過と特徴
ウンナ母斑は、サモンパッチと比べて自然に消えにくい傾向があります。3歳頃までに薄くなることもありますが、約半数は成人になっても残存します。ただし、悪性化することはないため、健康上の問題はありません。
成長とともに髪の毛が伸びてくると、ほとんどの場合は髪に隠れて目立たなくなります。そのため、治療をせずに経過観察とすることが多いです。日常生活に支障をきたすことはなく、運動や入浴なども制限なく行えます。
ただし、女の子の場合はポニーテールやアップスタイルなど、髪を上げる髪型にした時に赤みが見えることがあります。成長してから美容上の理由で治療を希望される方もいらっしゃいます。
治療の必要性について
ウンナ母斑は、多くの場合、治療の必要はありません。髪の毛で隠れる部位にあるため、日常生活で目立つことが少ないからです。健康に害を及ぼすこともないため、経過観察が基本的な対応となります。サモンパッチと異なり、成人になっても約25%の方に残りますが、髪に隠れるため問題になることは少ないです。
治療を検討する場合
ただし、次のような場合は治療を検討します。髪型によって赤みが目立つ場合(ショートヘアやアップスタイル)、水泳やスポーツで髪が濡れた時に気になる場合、成人後に美容的な理由で改善を希望される場合などです。特に女の子の場合、将来的に髪型の選択肢を広げるために、早期治療を希望される親御さんもいらっしゃいます。
レーザー治療の効果
神戸市・東灘区・御影駅にある御影こども形成外科では、Vbeam2による治療を行っています。ウンナ母斑は血管腫の中でもレーザーへの反応が良好で、2~3回の照射で目立たなくなることが多いです。治療後は赤みが徐々に薄くなり、多くの場合で満足いただける結果が得られます。保険診療が適用され、お子さんの医療費助成制度も利用できるため、経済的負担も最小限に抑えられます。
治療時期の検討
治療する場合、3~5歳頃が適しています。この時期であれば協力的に治療を受けられ、かつ皮膚が薄くレーザー効果が高い時期です。ただし、急いで治療する必要はなく、お子さんが自分で気にし始めた時や、親御さんが将来を考えて治療を希望された時が適切なタイミングといえます。
治療の注意点
髪の生え際の治療では、一時的な脱毛のリスクがあるため、治療範囲については慎重に検討する必要があります。当クリニックでは、髪の毛から数mm離れた部分から照射を開始し、段階的に範囲を調整します。ほとんどの場合、脱毛は一時的で数ヶ月で回復しますが、事前に十分な説明を行い、親御さんの同意を得てから治療を進めます。
他の赤あざとの違い
ウンナ母斑とよく似た赤あざがいくつかあります。最も間違えやすいのがサモンパッチですが、発生部位で見分けることができます。サモンパッチは額や眉間など顔の正中部にできるのに対して、ウンナ母斑はうなじや後頭部に限定されます。
単純性血管腫(毛細血管奇形)は境界がはっきりしていて自然消退しませんが、ウンナ母斑は境界がぼんやりしており、一部は自然に薄くなることがあります。また、生まれてから現れる乳児血管腫とは異なり、ウンナ母斑は生まれた時から存在します。
正確な診断には専門的な知識が必要です。形成外科専門医による診察で、他の疾患との鑑別や治療の必要性を適切に判断できます。