単純性血管腫(サモンパッチ)とは?

サモンパッチは、新生児の20~30%に見られる薄い赤あざで、正中部母斑の一種です。西洋では「天使がキスをした跡」とも呼ばれ、幸運の印として親しまれています。
主に顔の正中部(体の中心線)に現れるのが特徴で、額の中央、眉間、上まぶたの内側、鼻の下などに薄いピンク色から赤色の平らな斑として認められます。境界がぼんやりしていて、色調にむらがあることが多く、押しても盛り上がりはありません。
生まれた時から存在することが多いですが、生後数週間で気づかれることもあります。泣いた時やお風呂に入った時など、血流が増えると一時的に赤みが強くなりますが、落ち着くと元に戻るのも特徴の一つです。
こんな症状があればご相談ください
以下のような症状がある場合は、一度専門医の診察を受けることをおすすめします。
- 額の中央やおでこに薄い赤あざがある
- 眉間、まぶた、鼻の下に赤い斑点がある
- 境界がぼんやりした平らな赤あざ
- 泣いた時やお風呂で赤みが濃くなる
- 1歳を過ぎても赤みが残っている
- 3歳になっても消えていない赤あざ
など
まずは正確な診断を受けることで、経過観察で良いのか、治療が必要なのかを判断できます。
自然消退と経過観察について
サモンパッチの多くは自然に消えていきます。1歳までに約50%が、2歳までに約70%が薄くなり、3歳頃までには約90%が目立たなくなります。そのため、基本的には経過観察が第一選択となります。
ただし、自然消退しやすい部位としにくい部位があります。上まぶたのものはほぼ確実に消えますが、額の中央や鼻周囲のものは残りやすい傾向があります。色調が濃いものも消えにくいとされています。
経過観察中は、特別な治療は必要ありません。日常生活に制限もなく、入浴や運動も通常通り行えます。赤みが気になる場合は、カバーメイクで対応することも可能です。定期的に写真を撮って記録しておくと、変化が分かりやすくなります。
当クリニックでの治療について
3歳を過ぎても赤みが残っている場合や、色調が濃く自然消退が期待できない場合は、レーザー治療を検討します。多くのサモンパッチは1~2歳までに自然に薄くなりますが、額の中央部や眉間の赤みは残りやすい傾向があります。泣いたり興奮したりすると赤みが強くなることで、お子さん自身が気にし始めることもあるため、適切な時期での治療が重要です。
レーザー治療の効果
神戸市・東灘区・御影駅にある御影こども形成外科では、Vbeam2を使用した治療が可能です。サモンパッチは他の血管腫と比べてレーザーへの反応が良好で、多くの場合1~2回の治療で目立たなくなります。特に色が薄い段階で治療を開始すると、より少ない回数で効果が得られます。治療後は一時的に赤みが増すこともありますが、2~3週間で元の色より薄くなっていきます。完全に消失する例も多く、親御さんから「早く治療してよかった」という声をよくいただきます。
保険適用と費用
サモンパッチの治療は保険診療が適用され、お子さんの医療費助成制度も利用できます。自己負担は最小限に抑えられ、経済的な心配なく治療を受けていただけます。初診時に診断が確定すれば、その日のうちに治療を開始することも可能で、総合病院のように何度も通院する必要はありません。
最適な治療時期
治療時期は1~2歳頃が理想的です。この時期は皮膚が薄くレーザーが効きやすく、また治療の記憶も残りにくいという利点があります。3歳を過ぎると力が強くなり、治療への協力が得にくくなることがあります。自然消退を期待して経過観察することも大切ですが、2歳を過ぎても赤みが残る場合は、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。
親御さんへのアドバイス
サモンパッチは良性の血管腫で、健康上の問題はありません。しかし、将来お子さんが見た目を気にする可能性を考えると、適切な時期での治療は有益です。当クリニックでは、親御さんも処置室に入って治療を見守れます。表面麻酔を使用し、痛みに配慮しながら短時間で処置を行います。自然消退を待ちつつも、適切な治療時期を逃さないよう、早めにご相談いただくことをおすすめします。
他の赤あざとの見分け方
サモンパッチと似た赤あざがいくつかあり、正確な診断が重要です。単純性血管腫(毛細血管奇形)は境界がはっきりしていて自然消退しませんが、サモンパッチは境界がぼんやりして自然に消える可能性があります。
ウンナ母斑は同じ正中部母斑の仲間で、うなじや後頭部にできる赤あざです。約半数は大人になっても残りますが、髪の毛で隠れるため治療の必要性は低いとされています。
乳児血管腫は生後数週間で現れて盛り上がりますが、サモンパッチは生まれた時から平らなまま存在します。形成外科専門医による診察で、適切な診断と治療方針の決定が可能です。