ドクターズインタビュー

ドクターズインタビュー

院長インタビュー

一緒に最善の治療を考えていきたい

お子さんのあざに悩む方の気持ちに寄り添い
一緒に最善の治療を考えていきたい

なぜ医師を志したのですか?

私は生まれつき口唇口蓋裂という先天異常があり、小さい頃から形成外科の患者として治療を受けていました。その経験から、患者さんの立場に立った医療の大切さを実感してきました。

慶應義塾大学病院で手術室スタッフとして3年間働く中で、もっと患者さんのために直接的に何かしたいという思いが強くなり、20代後半で医学部を受験し、医師になりました。患者として、そして医療スタッフとして見てきた両方の視点を活かし、本当に必要とされる医療を提供したいと考えました。

形成外科を選ばれた理由は?

形成外科は傷を診るのが一番得意な分野です。細かい針を使い、内側と外側を丁寧に縫う技術で、傷跡を目立たなくすることができます。私自身が形成外科の患者だったこともあり、この分野には特別な思い入れがあります。

形成外科は体表面を扱う診療科で、皮膚から皮下組織、場合によっては骨まで治療します。皮膚科との違いは、外科的な処置まで対応できることです。傷跡の経過観察から、必要に応じた手術まで一貫して診療できるのが形成外科の強みです。

子供の治療に注力する理由は?

子供の治療に注力する理由は?

形成外科医になった時から、子供の治療に力を入れて取り組みたいと思っていました。兵庫県立こども病院での勤務で多くのあざの症例を診て、この分野への興味が深まりました。

高砂市民病院では年間1,000件程度のレーザー治療を行い、兵庫県でもトップクラスの症例数を経験しました。そこで実感したのは、機器の進歩が子供の苦痛を減らし、きれいに短期間で治せるということ。しかし総合病院では予算の関係で新しい機器を導入できず、古いレーザーで子供に痛い思いをさせることもありました。それなら自分でクリニックを開き、自分が「本当に良いと思える治療」を提供しようと決意しました。

治療効果を最大限にする環境づくり

子供の苦痛を最小限に
治療効果を最大限にする環境づくり

御影に開業された理由は?

まず自宅から近く、夜間でも緊急対応しやすい場所を探しました。東灘区は子育て世代が多く、子供の形成外科のニーズが高い地域です。御影駅から徒歩圏内で、駐車場も完備できる物件が見つかったことも決め手でした。

実は、子供への治療に特化した形成外科クリニックは日本でもまだ少ないんです。この地域の子育て世代の方々に、専門的なあざ治療を身近に受けていただける環境を作りたかった。19時まで診療し、土曜日も開院することで、お仕事をされている親御さんも通いやすくしています。

どんな機器を導入している?

どんな機器を導入している?

保険診療で使えるVbeam2とナノスターR(Qスイッチルビーレーザー)という機器を中心に、複合レーザー治療のためのGentleMax Pro PlusやXeo SA(ライムライト)など、あざ治療に必要な機器を揃えました。

Vbeam2は赤あざ用の機器で、導入している施設は県内でも限られています。ナノスターRは青あざ用で、照射径が大きく、連射も可能で治療時間を短縮できます。これらの機器は冷却装置が強化されていて痛みが少なく、照射回数も減らせます。保険診療でも良い治療を提供し、さらにきれいにしたい方には自費診療で複合レーザー治療も行えます。

治療の流れを教えてください

まず視診とダーマトスコープという拡大鏡で診察し、必要に応じてエコーで血管腫の深さや血流を確認します。診断名が確定したら、治療内容を詳しく説明し、同意をいただきます。ご希望があればその場でレーザー照射も可能です。麻酔を使う場合は、表面麻酔を塗って30分から1時間待っていただきます。レーザー照射後は炎症止めのクリームを塗布します。

治療回数は症状により異なりますが、3~5回が目安で、保険診療では3ヶ月に1回の通院となります。初診時に即日治療できるのは当クリニックの特徴で、総合病院のように何度も通院する必要はありません。

温かい治療空間

お子さんも親御さんも安心できる
温かい治療空間

診療で大切にしていることは?

診療で大切にしていることは?

お子さんを怖がらせないこと、そして親御さんの不安に寄り添うことです。当クリニックは、他院では待合室で待つことが多い親御さんも処置室に入っていただけます。治療の様子を見ていただくことで安心していただけますし、お子さんも親御さんがそばにいることで落ち着きます。

スタッフも元兵庫県立こども病院の看護師や元保育士など、子供の扱いに慣れた人材を集めました。また、クリニックはカフェのような居心地の良い空間にし、院内にはコーヒーサーバーをご用意して、外には芝生もあります。最初は怯えていた子も、慣れてくるとハイタッチをしてくれたり、笑顔で手を振ってくれたりするようになります。

早期治療の重要性は?

あざの治療は3歳までに始めるのが理想的です。その理由は、子供の皮膚は薄くレーザーが届きやすく治療効果が高いこと、そして3歳以降は治療の記憶が残りやすいことです。また、体の成長とともにあざの面積も大きくなるため、早期治療のほうが負担が少なくて済みます。

相談は生後3ヶ月から可能ですので、気になることがあれば早めにご相談ください。特に毛細血管奇形で赤みが強い場合は、早めに治療を始めないと消えにくくなることもあります。

治療成績はどうですか?

蒙古斑や太田母斑はきれいに消えることが多いです。乳児血管腫は放置すると萎縮性瘢痕が残ることがあるため、早期のレーザー治療をおすすめしています。毛細血管系のあざは完全に消すことは難しい場合もありますが、目立たなくなる程度まで改善が期待できます。

扁平母斑は再発の可能性もありますが、複合レーザー治療できれいに治ることもあります。当クリニックでは、それぞれのあざの特性に応じた治療計画を立て、保護者の方と相談しながら進めていきます。

大人のあざの治療にも対応

お子さんだけでなく
大人のあざの治療にも対応

連携病院はありますか?

甲南医療センター、神戸大学医学部附属病院、宝塚市立病院と連携しています。全身麻酔が必要な手術の場合は、甲南医療センターで私が執刀します。局所麻酔で対応できる手術は、当クリニック内の手術室で行います。

大きな病院との連携があることで、お子さんの状態に応じた適切な治療を選択できます。もちろん、夜間の緊急時も可能な範囲で対応していきます。

大人のあざ治療も可能ですか?

大人のあざ治療も可能ですか?

もちろん可能です。太田母斑や扁平母斑など診断名が付けば、年齢に関係なく保険診療で治療できます。実際、お子さんの治療で来院された親御さんが「私も治療できますか?」と相談されることが増えています。

遅発性太田母斑のように大人になってから現れるあざもありますし、しみだと思っていたものが実はあざだったということもあります。長年悩んでいた方も諦めずにご相談ください。

オンライン診療も行っている?

あざ治療は3ヶ月に1回の通院ですが、遠方の方には負担が大きい。実際、豊岡から片道2時間かけて通われている患者さんもいます。オンラインで初診や経過観察をすることで、全国どこからでも相談を受けられます。

あざ治療のオンライン診療は全国的にも珍しい取り組みです。また、これだけの機器を揃えてあざ治療を専門的に行っているクリニックは他にありません。大阪や他府県からでも、3ヶ月に1回なら通院可能だと思いますので、より多くの患者さんに良い治療を届けたいと考えています。

親御さんとともに歩む

母への想いを胸に
親御さんとともに歩む

子供のあざで悩む方に伝えたいことは?

お子さんのあざを見て、ご自分を責めている親御さんもいらっしゃるかもしれません。

実は、私の母もそうでした。高校生の時に母を子宮がんで亡くしましたが、反抗期だった私は母とあまり話をせず、今でも後悔が残っています。後から知ったのですが、母は私が口唇口蓋裂を持って生まれたことを、ずっと自分のせいだと思い込んでいたそうです。風疹の後遺症ではないかと自分を責め続けていた。そんな母の思いも知らずに、私は反抗期を過ごしてしまいました。

でも、それは“誰のせいでもありません”。そのことを母に伝えたかった、そして今、同じように悩む親御さんに伝えたいと思います。お子さんのあざは、親御さんのせいではありません。大切なのは、自分を責めることではなく、今できる最善の治療を一緒に考えていくことです。母のような思いをする親御さんの気持ちに寄り添える医師になりたい、それが私の原点です。

最後にメッセージをお願いします

治療後に「着替えが楽しくなった」「体操服を着るのに抵抗がなくなった」という声をいただくと、この仕事を選んで本当に良かったと思います。お子さんが自信を持って毎日を過ごせるようになる姿を見ると、きっと母も喜んでくれているのではないかと感じます。

あざは早期に適切な治療をすれば、多くの場合、改善が期待できます。一人で悩まず、まずは気軽にご相談ください。親御さんの気持ちに寄り添いながら、お子さんにとって最善の治療を一緒に見つけていきましょう。私自身の経験、そして母への想いを胸に、親御さんとお子さんの明るい未来への第一歩を全力でサポートさせていただきます。