乳児血管腫(いちご状血管腫)

乳児血管腫(いちご状血管腫)

乳児血管腫(いちご状血管腫)とは?

乳児血管腫(いちご状血管腫)とは?

乳児血管腫は、皮膚の毛細血管が増えて塊となってできる良性の腫瘍です。赤くいちごのように見えることから「いちご状血管腫」とも呼ばれています。日本人の赤ちゃんの約100人に1人に見られ、女の子にやや多い傾向があります。

皮膚表面が平らに赤くなる「局面型」、半球状に盛り上がる「腫瘤型」、皮膚の下にしこりができる「皮下型」の3つのタイプがあります。生後数週間から数ヶ月で現れ、頭や顔、首に多く発生します。適切な時期に治療を開始することで、将来の皮膚への影響を最小限に抑えることができます。

こんな症状があればご相談ください

以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 生後数週間で赤い斑点が現れ、急速に大きくなっている
  • いちごのような赤いできものが盛り上がってきた
  • 目や鼻、口の周りに赤あざができている
  • 赤あざが潰瘍になったり、出血したりしている
  • 広範囲に赤みが広がっている
  • 皮膚の下に赤紫色のしこりがある
  • など

 
特に顔や機能的に重要な部位にできた場合は、早期の診断と治療が大切です。

症状の経過と自然消退について

乳児血管腫は、生後1年ごろまで大きくなる「増殖期」と、その後徐々に小さくなる「退縮期」という特徴的な経過をたどります。増殖期は特に生後5~7週で急速に大きくなります。

その後、5~7歳頃までに約70%は自然に薄くなっていきます。しかし、完全に元通りになることは少なく、約25~69%の患者さんに毛細血管の拡張、皮膚のたるみ、瘢痕などの後遺症が残ることが報告されています。特に大きく盛り上がったものは、皮膚への影響が残りやすい傾向があります。

当クリニックでの治療方法

神戸市・東灘区・御影駅にある御影こども形成外科では、Vbeam2という色素レーザーを用いた治療を行っています。このレーザーは血管の中のヘモグロビン(赤い色素)に選択的に反応し、正常な皮膚にはダメージを与えずに、異常な血管だけを徐々に縮小させます。照射された血管は段階的に退縮し、正常な皮膚に置き換わっていきます。

治療スケジュール

保険診療の対象となり、通常3ヶ月間隔で3~5回程度の治療を行います。当クリニックでは初診時にご希望があれば、その日のうちに照射を開始することも可能です。お子さんの機嫌や体調を見ながら柔軟に対応いたします。早期に治療を開始することで、血管腫が大きくなる前に効果的な治療が可能となります。

期待できる治療効果

早期治療により、多くの場合で血管腫の縮小・平坦化が期待できます。特に増殖期(生後1歳頃まで)に治療を開始すると、血管腫の成長を抑制し、将来的な皮膚のたるみや瘢痕形成を予防できます。完全に消失しない場合でも、目立たない程度まで改善することが多く、お子さんの成長に伴う心理的な負担を軽減できます。治療経過は写真で記録し、改善の様子を親御さんと共有しながら進めていきます。

痛みへの配慮

Vbeam2は強化された冷却装置により、従来のレーザーと比べて痛みが大幅に軽減されています。必要に応じて表面麻酔クリームを使用し、照射前後には保冷剤で冷やすことで、お子さんの不快感を最小限に抑えます。照射時間も短く、多くのお子さんが思っているより楽に治療を受けられています。

親御さんの同伴について

処置の際は親御さんも一緒に処置室にお入りいただけます。お子さんを抱っこしていただいたり、手を握って励ましていただいたりすることで、不安を和らげながら治療を受けられます。治療の様子を直接ご覧いただくことで、親御さんの不安も軽減され、お子さんも安心して治療を続けることができます。

早期治療が大切な理由

乳児血管腫の治療は、できるだけ早い時期に開始することが重要です。生後3ヶ月から治療可能で、3歳までの皮膚が薄い時期はレーザーが届きやすく、効果が高くなります。早期治療により、増殖期の拡大を抑制し、将来の瘢痕や皮膚のたるみを最小限にできます。

また、小さいお子さんは治療の記憶が残りにくく、心理的な負担も軽減されます。早めに治療を開始することで、トータルの治療回数も少なく済む傾向があります。形成外科専門医がお子さん一人ひとりの状態を見極め、適切な治療計画をご提案いたします。