表皮母斑・脂腺母斑

表皮母斑・脂腺母斑

表皮母斑とは?

表皮母斑とは?

表皮母斑は、皮膚の一番外側にある表皮が部分的に厚くなってできるあざです。表面がざらざらした質感で、わずかに盛り上がっているのが特徴です。色は淡い茶色から褐色で、触るといぼ状のでこぼこした感触があります。

多くは生まれつき存在しますが、生後まもなく現れることもあります。線状に長く伸びるものや、地図のような不規則な形をしたものなど、形態は様々です。体のどこにでもできる可能性がありますが、頭部、顔面、体幹に多く見られます。

成長とともに徐々に厚みが増し、色が濃くなる傾向があります。悪性化することはきわめてまれですが、美容的な理由や、まれに合併症を伴う場合があるため、適切な診断と治療を検討することが大切です。

脂腺母斑とは?

脂腺母斑(しせんぼはん)は、皮膚の皮脂腺や毛包、表皮などが過剰に増殖することで生じる先天性のあざです。
多くは生まれつき存在し、主に頭部(とくに頭皮)や顔、首にみられます。

表面は平らからやや盛り上がった状態で、色は黄色〜黄褐色を呈することが多く、乳児期には目立ちにくい場合もあります。成長とともに皮膚が厚くなり、思春期以降には表面がざらざらしてくることがあります。

脂腺母斑は良性病変ですが、思春期以降に良性腫瘍や、まれに悪性腫瘍を合併する可能性があることが知られています。そのため、経過観察や適切な時期での治療を検討することが重要です。

こんな症状があればご相談ください

以下のような症状がある場合は、専門医の診察をおすすめします。

  • 生まれつきある茶色いざらざらしたあざ
  • 表面がいぼ状にでこぼこしているあざ
  • 線状や帯状に長く伸びているあざ
  • 成長とともに厚みが増してきたあざ
  • 顔や首など目立つ部位にあるあざ
  • かゆみや痛みを伴うあざ
  • 広範囲に広がっているあざ
  • など

 
表皮母斑は見た目で診断できることが多いですが、他のあざとの鑑別や、まれに合併症を伴うことがあるため、専門医による診察が重要です。
これらの症状は表皮母斑だけでなく、脂腺母斑でもみられることがあります。見た目が似ているあざでも、性質や治療方針が異なるため、正確な診断が大切です。

表皮母斑の特徴と経過

表皮母斑の最大の特徴は、表面のざらざらした質感です。これは表皮の角質層が厚くなっているためで、触ると細かいいぼが集まったような感触があります。平らなものから盛り上がったものまで、厚さには個人差があります。

形は様々で、円形や楕円形のものから、線状に細長く伸びるもの、地図のように不規則な形をしたものまであります。特に線状のものは、体の成長に伴って長さが増すことがあります。

基本的に良性のあざで、悪性化することはほとんどありません。ただし、広範囲のものや特殊な分布を示すものでは、まれに他の症状を合併する「表皮母斑症候群」の可能性があるため、注意が必要です。痛みやかゆみはないことが多いですが、美容的な問題から治療を希望される方が多くいらっしゃいます。

脂腺母斑の特徴と経過

脂腺母斑は、乳幼児期には比較的なめらかな皮膚病変として認められることが多く、成長とともに変化していくのが特徴です。思春期以降になると、ホルモンの影響により皮脂腺が発達し、表面が厚く、いぼ状やざらざらした外観になることがあります。

基本的には良性の病変ですが、長期経過の中で脂腺腫や毛包系腫瘍などの良性腫瘍を合併することがあります。また頻度は低いものの、悪性腫瘍が発生する報告もあるため、放置せず専門医による経過観察が推奨されます。

当クリニックでの治療方法

表皮母斑の治療は、外科的切除が基本となります。表皮母斑は皮膚の表面だけでなく、やや深い部分まで病変が及んでいることが多いため、完全に取り除くには手術が最も確実な方法です。切除により母斑組織を完全に除去できれば、再発することはなく、根治が期待できます。

表皮母斑と同様に、脂腺母斑に対しても外科的切除が根治的な治療となります。特に脂腺母斑は将来的な腫瘍発生のリスクを考慮し、適切な時期での切除を検討します。

形成外科的アプローチ

神戸市・東灘区・御影駅にある御影こども形成外科では、形成外科専門医として培った技術により、傷跡が目立ちにくくなるよう配慮した手術を行います。皮膚の緊張を考慮した切開線の設定、細い糸を使用した丁寧な縫合により、機能的にも美容的にも満足いただける結果を目指します。特に関節部や顔面では、皮膚の動きや表情筋の方向を考慮し、自然な仕上がりになるよう計画します。

成長を見据えた治療計画

表皮母斑は成長とともに厚くなったり、範囲が広がったりする可能性があります。そのため、小さいうちに切除することで、手術範囲を最小限に抑えられます。ただし、広範囲の母斑では、皮膚の伸展を待ってから段階的に切除する場合もあります。お子さんの成長段階と母斑の状態を総合的に判断し、最適な手術時期をご提案します。

レーザー削皮術の選択

小範囲の表皮母斑に対しては、アキュパルス(CO2レーザー)による削皮術も選択肢となります。レーザーで表面を削り取る治療方法で、メスを使わないため出血が少なく、回復も比較的早い特徴があります。ただし、深部の組織が残存すると再発の可能性があることと、自費診療となることをご理解いただく必要があります。

治療後の管理とフォロー

手術後は傷の管理が重要です。抜糸まで約1週間、その後も数ヶ月間はテープ保護や日焼け止めの使用を継続します。表皮母斑は表面がざらついているため、切除後の滑らかな皮膚への変化に、多くの親御さんから喜びの声をいただきます。定期的な診察により、傷跡の経過を見守り、必要に応じてケア方法を調整します。

日常生活への配慮

手術は局所麻酔で行える範囲であれば、当クリニックの手術室で実施し、日帰りで帰宅できます。入浴制限は最小限にとどめ、お子さんの日常生活への影響を減らします。幼稚園や学校を長期間休む必要はなく、通常の生活を続けながら治療を受けられます。

手術治療について

手術は保険診療の対象となり、局所麻酔下で行います。手術時間は大きさや場所により異なりますが、通常5~20分程度で終了します。麻酔の注射時に多少の痛みはありますが、手術中の痛みはありません。

手術では、表皮母斑を含む皮膚を紡錘形に切除し、内側と外側を丁寧に縫合します。術後1週間前後で抜糸を行い、その後は傷跡を目立たなくするために数ヶ月間テーピングをしていただきます。

手術の最大のメリットは、再発がほとんどないことです。レーザーや削皮術では表皮母斑が再発することがありますが、手術で完全に切除すれば、その心配はありません。傷跡は線状に残りますが、時間の経過とともに目立たなくなっていきます。

治療時期の検討

表皮母斑の手術は、1歳以上から可能です。お子さんの場合は、成長や日常生活への影響を考慮して治療時期を決定します。顔や首など目立つ部位にある場合は、就学前に治療を完了することで、お子さんの心理的な負担を軽減できます。

場所によっては、成長を待ってから治療した方が良い場合もあります。例えば、関節付近にある表皮母斑では、成長による皮膚の伸展を考慮する必要があります。また、広範囲のものでは、複数回に分けて切除する分割切除術を検討することもあります。

脂腺母斑の場合も、治療時期の判断は重要です。乳幼児期には経過観察とし、病変の変化や部位、美容面への影響を考慮して、就学前後や思春期前に手術を行うケースが多くあります。お子さん一人ひとりの状況に合わせて、無理のない治療計画をご提案します。

治療を急がない場合でも、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。表皮母斑の性質を正確に診断し、将来的な治療計画を立てることで、最適な時期に最良の治療を受けることができます。