異所性蒙古斑とは?

異所性蒙古斑は、お尻や腰以外の場所にできる青あざです。「異所性」とは「通常とは異なる場所」という意味で、本来お尻にあるはずの蒙古斑が、手足、背中、肩、顔など様々な部位に現れたものを指します。
日本人の赤ちゃんのほぼ100%に蒙古斑が見られますが、そのうち異所性蒙古斑が現れるのは約5~10%です。皮膚の深い部分(真皮)にメラニン色素が存在するため青く見え、グレーから濃い青色まで色調には幅があります。
通常の蒙古斑は成長とともに自然に消えることが多いですが、異所性蒙古斑は消えにくく、成人になっても残ることがあります。特に手足の末端部分にあるものは、自然消退が期待できないことが多いため、適切な治療を検討する必要があります。
こんな症状があればご相談ください
以下のような青あざがある場合は、専門医の診察をおすすめします。
- 手の甲、腕、足、肩にある青あざ
- 顔や首など露出部にある青あざ
- 複数の場所に点在する青あざ
- 10cm²以上の大きな青あざ
- 境界がはっきりした濃い青あざ
- 3歳を過ぎても薄くならない青あざ
- 成長とともに大きくなってきた青あざ
など
早めの診断により、自然に消えるものか、治療が必要なものかを見極めることができます。
通常の蒙古斑との違い
通常の蒙古斑はお尻や腰にでき、ほとんどが10歳頃までに自然消退します。一方、異所性蒙古斑は体の様々な部位に現れ、自然に消える可能性が低いという大きな違いがあります。
異所性蒙古斑が消えにくい理由として、発生部位による差があります。体の中心部に近いものは比較的消えやすいですが、手足の先端にいくほど残りやすくなります。特に肘や膝から先の部分は、成人まで残る可能性が高いとされています。
また、「多発性」「色が濃い」「10cm²以上」「境界がくっきりしている」という特徴がある異所性蒙古斑は、特に消えにくいことが分かっています。これらの特徴を持つあざは、早期の治療検討が推奨されます。
治療が必要なケース
すべての異所性蒙古斑に治療が必要なわけではありません。薄い色で小さなものは、成長とともに目立たなくなる可能性があるため、経過観察となることもあります。
治療を検討すべきケースとして、色の濃いあざ、露出部にあるあざ、将来残る可能性が高い大きなあざが挙げられます。特に手足や顔など、衣服で隠れない部位にある場合は、お子さんが成長してから心理的な負担となる可能性があります。
お子さんの将来の生活を考慮し、早めに専門医と相談することで、適切な治療時期を決めることができます。
当クリニックでの治療方法
神戸市・東灘区・御影駅にある御影こども形成外科では、ナノスターR(Qスイッチルビーレーザー)による治療を行っています。異所性蒙古斑は保険診療の対象となり、お子さんの医療費助成制度も利用可能です。ナノスターRの大きな照射径により、広範囲のあざも効率的に治療でき、フラクショナル照射機能で濃淡に応じた細かな調整も可能です。
少ない治療回数で改善
異所性蒙古斑は他の青あざと比べてレーザーへの反応が良好で、通常1~3回程度の治療で改善が期待できます。太田母斑などと比べると少ない治療回数で済むため、お子さんの通院負担も軽くなります。治療間隔は3ヶ月以上空けて行い、皮膚の回復を待ちながら段階的に色素を薄くしていきます。
部位別の治療成績
四肢の異所性蒙古斑は特に治療効果が高く、1~2回の照射でほぼ消失することも珍しくありません。背中や肩の大きなあざも、範囲は広くても比較的浅い位置に色素があるため、良好な改善が見込めます。濃さや深さにより個人差はありますが、学童期前に目立たない程度まで改善させることで、プールや体育の授業でも気にならなくなります。
治療中の工夫と配慮
お子さんの処置では親御さんも一緒に処置室に入っていただき、安心して治療を受けられる環境を整えています。照射範囲が広い場合は、一度に全体を治療せず、部分的に進めることもあります。お子さんの集中力や体力に合わせて、無理のない範囲で治療を行い、良い思い出として治療を終えられるよう配慮しています。
治療後の見通し
多くの異所性蒙古斑は、治療により周囲の皮膚と区別がつかない程度まで改善します。完全消失する例も多く、将来的に水着や半袖を着る際の心配がなくなります。治療効果は永続的で、一度消えたあざが再発することはほとんどありません。お子さんの成長とともに、あざの心配から解放される日常を取り戻せます。
早期治療のメリット
異所性蒙古斑の治療は、幼児期に開始することで高い効果が得られます。皮膚が薄い時期はレーザーが深部まで届きやすく、少ない出力で治療できるため、副作用のリスクも軽減され、良好な結果が期待できます。また、日焼けをしていない時期の治療が効果的なため、外遊びが増える小学校入学前の治療が理想的です。
3歳までに治療を開始することで、お子さんの記憶に残りにくく、心理的な負担も軽減できます。異所性蒙古斑は完全に消すのではなく、成長による自然消退と組み合わせて目立たなくすることが目標となります。早めの相談により、お子さんに合った治療計画を立てることができます。