毛細血管奇形(単純性血管腫)とは?

毛細血管奇形は、皮膚の浅い部分にある毛細血管が拡張したり異常に形成されたりすることで生じる、生まれつきの平らな赤あざです。ワインのような赤紫色に見えることから「ポートワイン母斑」とも呼ばれています。
乳児血管腫とは異なり、生まれた時からはっきりと存在し、自然に消えることはありません。体の成長に比例して大きくなり、治療しなければ成人後も残ります。年齢を重ねると皮膚が厚くなり、色が濃くなったり、表面にでこぼこした結節ができたりすることもあります。
新生児の約0.3%に見られ、顔や首、体のどこにでも発生する可能性があります。境界がはっきりとした赤色から紫色の斑で、押しても色が消えないのが特徴です。
こんな症状があればご相談ください
以下のような症状がある場合は、専門医の診察をおすすめします。
- 生まれた時から境界がはっきりした赤あざがある
- ピンク色から紫色の平らな斑点がある
- 成長とともに赤あざが大きくなっている
- 顔面の片側に広がる赤あざがある
- 年齢とともに色が濃くなってきた
- 皮膚が厚くなり、でこぼこしてきた
など
特に顔面の広範囲にある場合は、他の症状を合併することもあるため、早めの診察が大切です。
他の赤あざとの違い
毛細血管奇形と間違えやすい赤あざがいくつかあります。乳児血管腫は生後数週間で現れて盛り上がりますが、毛細血管奇形は生まれつき平らなまま存在します。
サモンパッチは額の中央やまぶたにできる薄い赤あざで、多くは2歳頃までに自然に消えます。ウンナ母斑はうなじにできる赤あざで、髪に隠れることが多く、約半数は残りますが治療の必要性は低いとされています。
正確な診断により、治療の必要性や方法が決まります。専門医による診察で、適切な治療方針を立てることが重要です。
当クリニックでの治療方法
神戸市・東灘区・御影駅にある御影こども形成外科では、Vbeam2を使用したレーザー治療を行っています。血管内のヘモグロビン(赤い色素)に選択的に反応するレーザーで、正常な皮膚へのダメージを最小限に抑えながら、拡張した毛細血管を段階的に縮小させていきます。照射された血管は徐々に退縮し、正常な皮膚の色調に近づいていきます。
治療スケジュールと回数
保険診療が適用され、3ヶ月間隔で複数回の治療を行います。通常5~10回程度で色調の改善が見られますが、あざの濃さや範囲により個人差があります。初診時にご希望があれば、その日のうちに治療を開始することも可能です。
期待できる治療効果
顔や体幹部では約70~80%の有効率があり、多くの場合で赤みの軽減が期待できます。完全に消失しない場合でも、かなり薄くなることが多く、日常生活での精神的負担を大幅に軽減できます。特に3歳までの早期治療開始により、より良好な結果が得られる傾向があります。毛細血管奇形は自然には消えないため、適切な時期に治療を開始することが重要です。
治療部位による効果の違い
顔面や首などの露出部は治療効果が高く、四肢では効果がやや劣る傾向があります。これは部位により皮膚の厚さや血管の深さが異なるためです。当クリニックでは、部位に応じてレーザーの設定を細かく調整し、最適な治療効果を追求します。治療経過は写真で記録し、改善度を客観的に評価しながら進めていきます。
痛みへの配慮と親御さんの同伴
お子さんの治療では、親御さんにも処置室に入っていただき、一緒に治療を見守っていただけます。表面麻酔クリームを塗布し、30分程度待つことで痛みを大幅に軽減できます。Vbeam2の強化された冷却装置と組み合わせることで、多くのお子さんが想像以上に楽に治療を受けられています。照射時間も短く、お子さんの負担を最小限に抑えながら効果的な治療を行います。
早期治療の重要性
毛細血管奇形は放置すると、加齢とともに皮膚が厚くなり、色が濃い紫色に変化していきます。特に顔面では、成人後に表面が盛り上がって結節状になることもあり、その段階ではレーザー治療の効果が限定的になります。
乳幼児期は皮膚が薄いため、レーザーが血管まで届きやすく、少ないエネルギーで高い治療効果が得られます。また、血管の構造が単純な時期に治療することで、より確実な改善が期待できます。
お子さんが物心つく前に治療を完了させることで、あざによる精神的な影響を防ぐこともできます。形成外科専門医として、お子さんの将来を見据えた治療計画をご提案いたします。